2026年現在も多くの少女漫画ファンに愛され続けている、椎名橙による名作『それでも世界は美しい』。白泉社の漫画雑誌『花とゆめ』にて連載され、2020年11・12合併号で堂々の完結を迎えた本作は、単行本全25巻で累計発行部数が300万部を突破する大ヒットを記録しました。少雨化が進む世界を舞台に、雨を降らせる能力を持つ「雨の公国」の第四公女ニケ・ルメルシエと、「晴れの大国」をわずか3年で征服した少年王リヴィウス一世が織りなすファンタジーロマンスは、連載終了から時間が経った現在でも色褪せない魅力に満ちあふれています。
本記事では、原作コミックス全25巻の軌跡をたどりながら、ニケとリビの深まる絆や物語の見どころ、そして世界観の核心に迫る背景ファクトを余すところなくお届けします。
『それでも世界は美しい』とは?作品の基本概要と累計300万部突破の背景

公式百科事典や各種報道データによると、『それでも世界は美しい』(Still world is beautiful)は、椎名橙による日本の漫画作品です。『花とゆめ』(白泉社)にて3回の読み切りを発表後、同誌2012年2号から2020年11・12合併号まで長期連載されました。単行本は「花とゆめコミックス」より全25巻が刊行され、2020年9月時点ですでに累計発行部数は300万部を突破。2014年4月から同年6月にかけてはテレビアニメ版も放送され、美しい音楽やダイナミックな演出で原作ファンの間でも高く評価されました。
物語の舞台は、少雨化が進み降雨量の減少が深刻化している世界です。そんな中、雨を降らせる神秘的な能力を持つ東方の貧乏な鎖国国家「雨の公国」が存在していました。主人公である第四公女ニケ・ルメルシエは、ジャンケンで負けたという不条理な理由から、嫌々ながらも国のために「晴れの大国」の太陽王リヴィウス一世に嫁ぐことになります。即位してわずか3年で世界を征服したと聞いていたリビでしたが、実際に顔を合わせた相手はまだあどけなさを残す子供でした。加えて、退屈しのぎという身勝手な理由で雨を降らせるよう要求されたニケは猛反発。ここから、2人の波乱に満ちた運命の物語が幕を開けます。
主人公ニケと太陽王リヴィウス一世:政略結婚から始まった運命の絆
「雨の公国」の自治を認めることと引き換えに、太陽王の元へと嫁いだニケ・ルメルシエ。緑の瞳と茶髪を持つスタイル抜群の少女でありながら、王族としての身分を鼻にかけず、堅苦しいことが大嫌いなおてんば娘です。王家全員が天候を操る能力を持ち、特に「アメフラシ」と呼ばれる雨を降らせる能力に特化している彼女ですが、幼いころは王族でありながら雨を呼ぶことができず、祖母トハラの下での過酷な修行を経て雨を呼べるようになり、公国一の歌い手となりました。耳につけたピアスは、その強大な能力を制御するための「制限石」です。
一方の太陽王リヴィウス一世(リビ)は、かつてその派手な外見と人に心の内を見せない様から「宮廷の花」「太陽」などと呼ばれていましたが、それは自身で敢えてそうあるように意識して築き上げた仮面に過ぎず、本来は物静かで思慮深い少年です。初恋の人シーラを失って以来、彼女だけを想って生きても構わないと心を閉ざしていたリビでしたが、退屈しのぎで迎えたニケが敵対派閥に暗殺されそうになったところを身を挺して救われて以来、彼女に深く依存し、絶対的な信頼を置くようになります。ニケの危機とあらば禁を犯すことも命の危険もいとわないリビに対し、ニケもまた彼の隠された優しさや脆さに触れて恋心を抱き、自らの意志で彼の元に留まることを決意します。
全25巻の軌跡と物語の大きな見どころを解説
大国で暮らしていくうちに、ニケは自らが秘める秘術の秘密、世界中で深刻化する少雨化の現状、そしてリビが抱える深い闇とトラウマに直面し、やがて自身も世界の巨大なうねりへと巻き込まれていきます。物語の最大の魅力は、単なる甘いロマンスにとどまらず、個人の愛情が国家間の紛争や世界の気候変動という壮大なスケールの課題にどう影響していくのかが緻密に描かれている点です。
リビはニケと出会ったことで「許すことができる王」へと精神的な成長を遂げ、周囲の貴族たちから蔑まれるニケを命懸けで守り抜きます。ニケ側もまた、過酷な試練や公国の秘術を巡る陰謀に立ち向かう中で、一国の王妃として、そして一人の強い女性として覚醒していきます。互いに愛し合い、支え合いながら歩む2人の姿は、読者に深い感動を与え続けています。
| 項目 | 詳細 | 主な見どころ・特徴 |
|---|---|---|
| 作品名 | それでも世界は美しい | 椎名橙による王道ファンタジーロマンス漫画 |
| 掲載誌・期間 | 花とゆめ(白泉社) / 2012年2号〜2020年11・12合併号 | 約8年間にわたる長期連載で完結 |
| 単行本・部数 | 全25巻(花とゆめコミックス) / 累計300万部突破 | 2020年9月時点で累計300万部を達成 |
| 主要人物 | ニケ・ルメルシエ / リヴィウス一世 | 雨の公国の第四公女と晴れの大国の少年王による身分差ロマンス |
| メディア展開 | 2014年4月〜6月 テレビアニメ放送 | 美しい音楽描写と迫力ある映像化で話題に |
キャラクターの魅力と周囲を固める重要人物たち
『それでも世界は美しい』の大きな見どころとして、主人公2人を取り巻く魅力的なサブキャラクターたちの存在が挙げられます。例えば、リビの側近であるニールは、リヴィウスの「精神安定剤」としてニケを頼りにしつつ、リビがニケの寝所に夜な夜な潜り込んでくることに辟易するなど、ユーモラスなやり取りで物語に深みを与えています。なお、ニケ自身の寝相はかなり悪いという愛嬌のある設定も描かれています。
また、雨の公国の家族や周辺国家の権力者たち、リビの女性関係をめぐるコミカルなエピソード(バルド様と結婚したいという嘆願書が届くなど)も健在でシリアスとコメディのバランスが絶妙です。貴族社会のしがらみや政治的陰謀が渦巻く宮廷の中で、ニケの飾らない人柄と圧倒的な歌声が周囲の人々の心を次々と動かしていく過程は、何度読み返しても胸が熱くなるポイントです。
【それでも世界は美しい】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:漫画『それでも世界は美しい』の原作は全何巻で完結していますか?
A1:白泉社の「花とゆめコミックス」より全25巻が刊行されており、すでに完結しています。
Q2:アニメ版はどこまで放送されましたか?
A2:2014年4月から6月にかけてテレビアニメが放送され、原作の序盤から中盤にかけてのニケとリビの出会いと絆の深まりが丁寧に描かれました。
Q3:累計発行部数は何部ですか?
A3:2020年9月の公式発表時点で、累計発行部数300万部を突破している大ヒット作です。
『それでも世界は美しい』は、身分や育った環境の全く異なる2人が、衝突を繰り返しながらも互いの痛みに寄り添い、真のパートナーへと成長していく姿を描いた不朽の名作です。雨を降らせる少女と太陽王というファンタジー要素をベースにしつつも、描かれる感情の機微は非常にリアルで普遍的であり、完結を迎えた現在も多くの新規読者を獲得し続けています。まだ全巻を読んだことがないという方は、ぜひ全25巻を一気読みして、ニケとリビがたどり着く最高の結末を見届けてみてください。