日本古来の風習である「厄年」は、人生の大きな転換期や心身のバランスが崩れやすい時期として、現代でも多くの人に意識されています。その中でも「前厄」「本厄」を経て最後に訪れる「後厄(あとやく)」については、「いつまで気を付ければいいのか」「お参りや厄払いは行くべきなのか」と疑問に感じる方も少なくありません。
2026年を迎えた今改めて知っておきたい、後厄の正確な意味や期間の数え方、前厄からの流れ、さらに厄年の年にやってはいけないとされる行動や賢い過ごし方のポイントを徹底的に解説します。
後厄とは何か?その正確な意味と厄年全体の流れ

厄年とは、数え年で人生の節目にあたる年齢のことで、災難や不運に見舞われやすい忌むべき年として古くから言い伝えられてきました。一般的に厄年は「前厄」「本厄」「後厄」の3年間で構成されており、その最後の1年が「後厄」と呼ばれます。
本厄が災難のピークや中心であるとするならば、後厄は「その厄が徐々に薄れ、平常の状態へと戻っていく過程の年」と位置付けられています。つまり、本厄で受けた厄気や疲労の名残がまだ残っていると考えられており、油断禁物な期間として慎重に過ごす習わしがあります。
男女によって厄年の年齢や巡り合わせは異なり、特に男性の42歳、女性の33歳は「大厄(たいやく)」と呼ばれ、その前後を挟む前厄・後厄も含めて人生の重大な転換期として厳かに捉えられてきました。
女性・男性の厄年年齢と前厄・本厄・後厄の仕組み
厄年の年齢は満年齢ではなく「数え年(生まれた年を1歳とし、元旦を迎えるごとに1歳を加える数え方)」で算定するのが伝統的な慣習です。そのため、自身の正確な厄年を知るには、数え年への換算が必要となります。
一般的に、男性は数え年で25歳、42歳、61歳が本厄とされ、その前後の年齢が前厄・後厄となります。一方、女性は19歳、33歳、37歳、61歳が本厄にあたり、特に女性の33歳は大厄として強く意識されます。
| 性別 | 前厄(数え年) | 本厄(大厄を含む・数え年) | 後厄(数え年) |
|---|---|---|---|
| 男性 | 24歳 / 41歳 / 60歳 | 25歳 / 42歳(大厄) / 61歳 | 26歳 / 43歳 / 62歳 |
| 女性 | 18歳 / 32歳 / 36歳 / 60歳 | 19歳 / 33歳(大厄) / 37歳 / 61歳(※) | 20歳 / 34歳 / 38歳 / 62歳 |
上記の表からも分かるように、本厄の翌年が必ず後厄となります。3年間にわたる長期の期間となるため、毎年の心構えをしっかり持って生活することが大切です。
後厄のお参り時期はいつまで?厄払いと神社選びの基本
「本厄だけでなく、後厄でも厄払いに行った方がよいのだろうか」という疑問は非常に多く寄せられます。神社仏閣の考え方や地域性によって見解は多少異なりますが、後厄においても無事に過ごせていることへの感謝や、厄をしっかり払い落とすために参拝することは有効とされています。
厄払いを受ける時期として最も一般的なのは、新年が始まってから節分(2月3日頃)までの期間です。旧暦では立春を1年の始まりとする考え方が根強いため、この節分の日までに厄除けや厄払いを行うのが伝統的なマナーとされています。
ただし、節分を過ぎてしまっても、その年のうちであればいつでも祈祷を受け付けている神社仏閣は多数あります。「もう時期を過ぎてしまったからダメだ」と諦める必要はなく、自身のタイミングで氏神様や由緒ある厄除け神社に足を運ぶことが推奨されます。
厄年の終わりの大切なしき習い「お礼参り」とは
前厄から始まった3年間の厄年のフィナーレを飾るのが「お礼参り」です。厄払いや厄除けの祈祷を神社で受けた際、「無事に1年(あるいは3年間)を過ごすことができました」という感謝を神様に伝えるために再び参拝することを指します。
多くの人は「厄を払ってもらうこと(お願い事)」には熱心ですが、無事に過ごせたことへの感謝を伝えるお礼参りを見落としがちです。後厄の終わり、あるいはすべての厄年が明けたタイミングで、お世話になった神社仏閣へ足を運び、丁寧にお礼を伝えることで清々しい気持ちで次のステージへ進むことができます。
なお、お札や御守りを授かっている場合は、お礼参りの際に古いものを納め札所に返納し、新しい年を迎える準備を整えるのが一般的な流れとなります。
後厄の年にやってはいけないことと気をつべき過ごし方
「後厄の年にやってはいけないタブーはあるのか」という点も、多くの人が気にかけるポイントです。結論から言うと、法律や戒律のように絶対に禁止されている行動があるわけではありません。
しかし、古くからの言い伝えや経験則として、人生の大きな変化やリスクを伴う行動に対しては慎重になるべきだと言われてきました。例えば、以下のような事項は後厄の期間に限らず、慎重に判断すべきとされています。
・無理な大勝負や無謀な投資:運気の浮き沈みが激しいとされる時期に、ハイリスクな金銭的賭けに出ることは避ける賢明さが必要です。
・過信による不注意:「もう後厄だから大丈夫だろう」「大厄は過ぎたから何をしても平気だ」という油断が、かえって怪我やトラブルを招く原因になり得ます。
逆に言えば、転職や結婚、引越しといった人生の重大イベントを後厄の年に迎えても全く問題ありません。大切なのは、過度に不安がるのではなく、心身の健康管理を徹底し、普段以上に丁寧な意思決定と生活リズムを心がけることです。
【後厄とは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:後厄の厄払いは、本厄のときに行っていれば省略しても大丈夫ですか?
A1:神社仏閣の解釈により異なりますが、本厄でしっかりと祈祷を受けていれば、後厄は必ずしも再度ご祈祷を受けなければならないわけではありません。ただし、心身をすっきりさせたい場合や、無事に過ごせたことへの感謝を込めたい場合は、後厄の時期に改めてお参りやご祈祷を受けることも良い選択肢です。
Q2:後厄の期間は正確にはいつからいつまでですか?
A2:一般的に、数え年の誕生日前後や、その年の1月1日から12月31日までの一年間を指すことが多いです。特に神道や仏教の行事では、その年の元日から大晦日まで、あるいは節分から次の節分までを一つの区切りとして捉えるのが一般的です。
Q3:後厄の年に引っ越しや結婚をしても本当に問題ありませんか?
A3:全く問題ありません。引っ越しや結婚、出産などは人生の素晴らしい慶事であり、厄年だからといって見送る必要はありません。ただし、環境が大きく変わることで疲労やストレスが溜まりやすいため、スケジュールに余裕を持たせるなど丁寧な過ごし方を心がけることが大切です。
後厄とは、前厄から続いた3年間の厄年の最終章であり、緊張感を持って過ごした期間を締めくくる大切な節目です。迷信や言い伝えに過度に縛られる必要はありませんが、「心身の健康を労わり、これまでの生活や行動を振り返る良い機会」としてポジティブに捉えることが何よりも重要です。
正しい知識を持って神社にお参りし、節度ある丁寧な生活を続けることで、後厄という期間を穏やかに乗り越えることができます。すべての厄年を無事に通過した後は、新たな気持ちで前向きに日々の生活やキャリアに向き合っていきましょう。